堀田季何
金剛の露ひとつぶや石の上 川端茅舎
一対か一対一か枯野人 鷹羽狩行
故郷へひとりの道や青葉風
「ひとり」が必要かどうか
故郷へお土産なしで青葉風 庄司君
数を確定しない
雁の声のしばらく空に満ち 高野素十
露の玉蟻たぢ/\となりにけり 川端茅舎
数を言わなくてもいい
大事にしたいことを決めて優先順位をつける
筍や雨粒ひとつふたつ百 藤田湘子
キャベツ四五十積むやスーパーマーケット × 別の言い方ができる
キャベツのしのし積むやスーパーマーケット 相子智恵
流燈や一つにはかにさかのぼる 飯田蛇笏
新酒・古酒 特選
信教の自由たとへば新酒の香
新酒酌み蛸の利き足研究会
新酒ああ僕らは生きていたのだな
古酒ごくん喉がなんだか壇ノ浦
胃袋は日本のかたち新酒酌む
月入れて月に呑まるる新酒かな