一昨日7月号が届きました。
「遠峰集」より
夕桜土手の端まで灯を連ね
本陣の裏の段畑麦青む
泥んこの児を目の端に汐干狩
トレパンの膝まで濡らし浅蜊とる
粽結ふ笹の真青を茹で上げて
「いぶきネットの俳句散歩」より
愛知池
愛知池は愛知用水の調整池で、ここで年間十回以上ボートの競漕会が行われる。名鉄豊田線の米野木駅から池の一番近いところまで徒歩で五分程度ということもあって、遠方の人も大会に参加しやすい漕艇場である。
俳句ではレガッタは「春」の分類にあるが、大会そのものは四月から十一月の間に行われている。二〇〇八年に第一回全日本マスターズが開催されたときは、朝から夕方まで一日池の周辺を散策したことも懐かしい。葉桜、柳絮、野茨の花、浜昼顔、鳧など多くの句材に出合えた。散歩、サイクリングにも最適である。入り江の多い北側は木々が鬱蒼としていて、一周七・五キロは意外と遠く、散歩を途中でリタイア、ログハウス風の喫茶店で夫の迎えを待った。
レガッタの行われる池の南側には直線五百メートルほどの舗装路があり、子供の自転車の練習にも良いし、芝のある土手では、ラジコンや模型飛行機を飛ばしている人もいる。周辺の田圃は季節の移り変わりが感じられ、豊かな水を湛えた池の一帯は時間が止まったようなゆったりした気持ちになれて心地好い。
春泥を来て艇磨く中学生 範子