選者 木暮陶句郎
侘助のひとつの花の日数かな 阿波野青畝
床柱夕日影さす寒椿 篠井英介
中七が上五下五どちらにもかかっている
木暮氏添削
床柱に夕日影さす寒椿
寒椿夕影倒す床柱
特選六句
侘助や師匠のこゑはよく通り
陶工の頬につちくれ寒椿
侘助や曖昧母音ひとつ吐く
乳房失ひ白の眩しき寒椿
寒椿時に聞こゆる鈴祓
留石の向かう侘助らしき花
特選三席
寒椿徳利に挿して酒やめむ
特選二席
侘助や父の句帳のみみず文字
特選一席
片口に白洲正子の寒椿