遠峰集より
蔵屋根に葵の紋や味噌仕込む
発酵にふくらむ樽や秋うらら
味噌蔵の裏に石干す冬支度
あけび蔓絡む浄瑠璃姫の墓所
足型を押したる便り敬老日
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今月号は 主宰の奥様せつ子先生の
芭蕉蛤塚忌全国俳句大会 蛤塚忌賞 「壱岐の旅」ほか
都合さんの 大垣市文化連盟賞「平家の里」
坪野さんの 佳作「陶干場」
それぞれ20句が掲載されていて
さらに新人賞作家荒川さん 東口さんの
三ヶ月連続競詠 20句
で、五倍増の読み応え
合計 100句!!!
パワーもMAX
一年の締めくくりに相応しい冊子となりました。
―主宰の近詠鑑賞 6月号より―
悠然と雲流れゆく虚子忌かな
虚子忌の四月八日、愛知同人句会で多くの選を得られた作品である。大空をゆったりと行く雲の堂々たる存在感。子規に始まる俳句山脈の系譜の上に立ち、多くの優れた作家を育成した虚子を〈悠然と〉と喩え見事な挨拶句である。
先生の作品はいつもそうなのだが、平明に詠まれていて大きな広がりと想像力をかきたてる。私は流れゆく雲の先に丘があり、〈春風や闘志いだきて丘に立つ〉と詠んだ若き日の虚子が向こうに立っているようにも感じられた。
俳誌「ホトトギス」は今年十月で一一六年一四一四号の歴史を刻んだ。「ホトトギス」HPでは「ほとゝぎす」(創刊当時は平仮名)の第一巻第一号の全三八頁が閲覧できる。子規の漲る大志が前面に表れている創刊号である。虚子と碧梧桐はそれぞれ三句ずつ入選していることも確認できた。
虚子は文化勲章を受章したとき〈我のみの菊日和とは夢思はじ〉と子規への思いをふまえて詠んだ。平成二二年四月、虚子没後五〇年に横浜近代文学館で「子規から虚子へ」という展示があり、先生はこの時〈虚子諭す子規の長文冴え返る〉とお詠みになっている。碧梧桐研究の第一人者として、子規、虚子、碧梧桐へ寄せる思いには格別のものがおありだろう。あらためて彼らのこと、彼らの忌日をしっかりと詠み継いでおられることに心打たれた。
二年続いた鑑賞も最後なので アップしました<m(__)m>
南瓜をシリコン素材の調理器具で
チンしてから焼いたらとても美味しかった