+++++発句は取合せ物也。二つ取合せて、よくとりはやすを上手と云ふ也
「とりはやす詞」「とりはやし」
「配合」正岡子規
「二句一章」大須賀乙字
「二物衝撃」山口誓子・藤田湘子
枯園に向ひて硬きカラア嵌む 山口誓子 『炎昼』
ピストルがプールの硬き面にひびき 〃
夏の河赤き鉄鎖のはし浸る 〃
さへづりや納豆の粒みな可愛 藤田湘子『神楽』
雲水の疾風あるきや百千鳥 〃
夏帯をしめ濁流をおもひをり 飯島晴子『朱田』
万有引力あり馬鈴薯にくぼみあり 奥坂まや『縄文』
宇佐美魚目作品より ここでは資料の一部のみ
第一句集『崖』 S34
硝子戸にとびし墨痕冬ながし
鮫を裂くうしろをすべり氷の荷 尾鷲港
削氷(けずりひ)やふとおそろしき父の齢 削氷 枕草子にも出る
月の雨棗に色の来つつあり
秋燕や火夫ら大きな火をはなれ
荒海を前に一戸の日向水 芭蕉と蕪村を意識した
夜の風の跡ある氷下鯉の鰭
第二句集『秋収冬蔵』 S50
自動車解体こほろぎ産卵管を地へ 時代の風を詠みながら挑戦した
馬頭すでに物体(オブジェ)波うつ塀の雪
夏柳風に吹き割れ古人見ゆ
山中の冷えきびきびと神の顔
木賊刈る手が濡れ残夢ありありと
あかあかと天地の間の雛納
第三句集『天地存問』 S55
白昼を能見て過ごす蓬かな
糸で明くからくりの目や初氷
東大寺湯屋の空ゆく落花かな
花冷えや磨り減らしたる墨の数
若水や虚子存問のありどころ
第四句集『紅爐』 S60
雪兎きぬずれを世にのこしたる
負真綿からだからだと母の声
凍る巌一つかくして松の幹 遠近法
夏わらび湖へ落ちこむ島の裾 写生の名手
春潮や時にそらより鳥しぶき
第五句集『草心』 H1 自在の草の心
初夢のいきなり太き蝶の腹 リアリティに迫る
狂ひ花鯉を深みへ移したる 狂い花はむずかしいが 帰り花では説明的になる
人あまた逝きぬ机と春の崖 物書きのイメージ 尖っている 凡人にはできない
能の出の笛のごとくに蜘蛛の糸 代表句
紅梅や謡の中の死者のこゑ 紅梅から女性ではないか 死者の成仏がテーマ
第六句集『薪水(しんすい)』 H8
雛の火の火種はこびの手よ足よ
桔梗に高天つばさ流れをり 格調高い
島うごくはずなし踏絵冷えにけり
稲の熱月山空に坐りけり (この句はとても好き)
法然のふくふくの指蝶の空
第七句集『松下童子』 H22
東風吹くや下げてずつしり赤き肉
耳遠くなる乾坤や浮氷
風にのる百のかもめも雛祭
うごく木にうごく空あり蛇の衣
葛湯吹くこころに立てよ古俳諧
上記のほかにも沢山の句を挙げ
魚目ゆかりの俳人たち として 一人二句ずつを挙げ(書ききれずですが)
遠山に日の当りたる枯野かな 髙浜虚子
巌襖しづかに鷹のよぎりつつ 橋本鶏二
火を投げし如くに雲や朴の花 野見山朱鳥
戸袋にかくれゐる戸や冬の空 波多野爽波
虫の夜の星空に浮く地球かな 大峯あきら
日輪の燃ゆる音ある巌かな 〃 感覚を駆使している
大鯉のぎいと廻りぬ秋の昼 岡井省二
雪舟は多くのこらず秋螢 田中裕明
蟻地獄赤子の智彗の生れけり 〃
↑ 深見けん二を驚かせた 貪欲に吸収するもの(赤子の知恵)
4枚の資料は文字も大きめで読みやすく有り難いものでした。
資料がいつかどこかへ紛れそうなので φ(..)メモメモ+++++
今日も筍掘り 1本
今度は糠買って茹でました
バカガイは海水を替えなかったからか
暑かったからか死んでしまったので
生ゴミになりました