三毬杖(さぎちょう)を竹の貫く波頭 井上弘美
行事を言葉で説明しない
クイズ
なまはげ
なまはげを( )見る子かな 中村苑子 (襖のかげで)
なまはげを兄者を盾に見る子かな 武井
なまはげをもの陰ひそみ見る子かな 山崎
かまくらの中より( ) 吉川信子 (餅を焼く匂ひ)
かまくらの中より漏るる丸き火よ 武井
かまくらの中より子供の笑ひ声 山崎
井上弘美選
入選句
手から手へ左義長の火へ還すもの 二席
神主も長靴で来るどんど焼き
故郷やいま見納めの大どんど
独眼の達磨を焼べるどんどかな
昨夜の雪踏んで河原のどんど焼き 一席
戦火なき国の青空とんど焼き
左義長の月あぶり出す炎かな 三席
左義長や朝(あした)飾の釘拾ふ
投げ入れし松が風呼ぶどんど焼き
添削コーナー
夕月と波を背にしてどんど焼く
夕月と波を背(そびら)にどんどかな
左義長や暗くて淋し帰り道 淋しは取る
左義長の果てたる闇を帰りけり
金の折紙空を舞ひたるどんどかな
折紙の金高く舞ふどんどかな
どんど焼き達磨の星を見上ぐ夜
どんど焼き達磨は星となりにけり