遠峰集より
京都御所3句 ですが 賽銭箱も京都御所内でした
廊橋をすずろに歩む菊日和
水澄むや御苑の舟の綱真白
紫宸殿跡や桜の散紅葉
黄落や賽銭箱に猫坐る
紅葉の枝伐つて足場を組み直す
日の高きうちより酔うて里祭
★熱田まつり(応募作)
黒南風や渡しに大き常夜燈
青蘆のそよぎ微かに舟着場
辻ごとに火の神祀る町薄暑
空砲のとどろき祭始まれり
杜深く神官進む朝涼し
白日傘閉ぢて鳥居に一礼す
岡持で神饌運ぶ青葉闇
荒魂の社裏より黒揚羽
本宮の裏の暗がり清水湧く
水無月の白砂眩しき雨あがり
西行の憩ひし橋や苔の花
羊歯茂る信長塀の瓦積み
棒の手の男汗して打ち合へる
獅子舞の子らへ扇げり大うちは
幼な巫女緑蔭に鈴振り続け
夏空へ尾張太鼓を打ちに打つ
人の波分けて夜店の灯の下に
西日中巻藁の灯を高く上げ
月涼し風に揺れゐる千の燭
花火見に路地行く肩を触れながら
田島先生の的確な評に感謝します
その他の選者の方にも
昨年は(今も)いろいろとあって 気持ちが前に進まず 難しい一年でした。
佳作の仲間に最後に入り 掲載していただき感謝します