風光集より
母の忌や昨夜より続く花の雨
法要の寺に甘茶を濯ぎ合ふ
よーいやさー都をどりの声の艶
都をどり桜散らしの友禅で
花散らす雨よひと日を書に籠る
特別作品 7名 うち私の8句
若葉風
清明や日に煌めける漕艇場
輿のごと担ぐ端艇風光る
蒲公英の絮とぶ岸辺艇下ろす
春風に乗り出艇のアナウンス
レガッタへ声飛ばし合ふ橋の上
競漕のをみなはち切れさうな腿
若葉風オールの掬ふ水光る
並べ干すエイトの上を揚羽蝶