遠峰集より
日盛を来て検温のモニターに
鈴祓受けて辞したり夏越祭
アマビエの御朱印貼つて梅雨籠り
黙祷のしじまへ降れり蟬時雨
新涼の鎖骨に沿はせ貝パール
いずれどこかのネットでアップされますが とりあえず
題 バッテリー切れ寸前の携帯電話
7位 携帯をタコ足充電夜学校 東国原
散文の語順になっている 中八音を上五に 夜学校の「校」が損
タコ足充電夜学の携帯のとりどり 夏井先生添削
6位 龍淵に潜む充電切れスマホ 梅沢
真っ黒な液晶画面龍淵に 夏井先生 これなら1・2位
5位 発電機運ぶ赤鬼村祭 フルポン村上
直すところはないが、似たような発想があるようなところが損
4位 まず雁の飛来を尋ね長電話 藤本
良い句だが「まず・・・」の型の類型がある 安定感もある
「尋ね」に思いが伝わる 「長電話」もしみじみする
8位 秋雷や絶縁破壊長き闇 中田喜子
三段切れなので「の」が要る
秋雷や絶縁破壊の闇長し 夏井先生添削
9位 夜半の秋次子に授乳の妻zzz 千原ジュニア
濁音で表現した(作者言)
次子 での大変さも分かる zzzも良い 授乳は「乳」で分かる
次子をはじめに 俳句は一行で書くので「秋」を平仮名で
次子に乳あきの夜半なる妻zzz 夏井先生
3位 静かに文を破くふと秋蛍 志らく
10音+7音 秋蛍でラブレターを破ると (志らく)
詩がある
ふと 2音 少し 3音 俳句で足りない音数にやりくりできる言葉
静かに文を破く秋蛍ふっと 夏井先生
静かに文を破く秋蛍ほのと 夏井先生
2位 フリードリンク夜学子の電子辞書 キスマイ横尾
上五で場所が分かる それぞれの言葉が映像を立てている
10位 秋蟬や仰向いてなほぎぎと鳴く 森口瑤子
俳句の世界には相当数ある 仰向いて から入るのが良い ありがちで
こんな句を作ったことあるという俳人が出てくる
仰向いてぎぎと鳴きけり秋の蝉 夏井先生
1位 スマホ死す画面に浮かぶ指紋と月 キスマイ北山
「スマホ死す」若い人が使うと思えば暗くない
「浮かぶ」も良い 古典的な「月」と「スマホ」の取り合わせが良い