引波に指の残れる素足かな 岸本葉子 句集より
鴇田智哉選 移動する句の瞳
ゲスト 古舘寛治
ゲスト 古舘寛治
秋草を経てくつきりと丘にゐる 生駒大祐
帰京して夏日に心憂鬱かな 古舘
夏空を越えて憂鬱なる帰京 鴇田添削
たまばなの青腰に触れ肩に擦れ 岸本
木の肌のまだらを辿りゆけば夏 鴇田
入選句
みんみんの声べとべとと松林
蟬の声私は何が欲しいのか 岸本推薦
落蟬の草に戻せば歩き出す 一席
蟬時雨浴ぶる穴だらけの地球
蟬の羽化見とどけし子の深ねむり ✩
蟬の殻見え隠れして二つかな 三席
蟬をさわれた一九九〇年 SF的将来蝉が居なくならないか
向日葵の満満と種宿しけり
蟬捕つて認められたき大人かな 古舘推薦 二席
✩句会の方が入選されました おめでとうございます!
不時着の最初の夜の虫しぐれ 岸本葉子
袋掛されはみんぐの聞えたる 鴇田智哉