選者 堀田季何
「けり」のおさらい
くろがねの秋の風鈴鳴りにけり 飯田龍太
箒木に影といふものありにけり 高浜虚子
ことごとく未踏なりけり冬の星 髙柳克弘
かたかごの風に頷きつつ咲けり 伊藤伊那男
門前に野菊咲きけり長建寺 大島梅屋
しら梅に明る夜ばかりとなりにけり 蕪村
馬迄も萌葱の蚊屋に寝たりけり 一茶
人の輪の外にをりけり卒業子 山田佳乃
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春風や辛子滲めるカツサンド 小澤實
貝塚へ曲る小道の菫かな 正岡子規
美しき眉をひそめて朝寝かな 高浜虚子
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「囀」特選六句
縮毛矯正四時間を囀りぬ
酸性だらう東京の囀りは
囀の止まなくて別れられない
囀の東雲色の聞こえけり
囀りやアフロヘアーの哲学者
人工の森を百年囀りぬ
良い天気でした
歩数計9000歩2時間ほどで帰りました
メインの十連煙突は見ていません