題 「鶴」
引鶴の天に抱き上げられしかな 対馬康子
引鶴の天に抱き上げられしかな 対馬康子
ゲスト 尾上右近
光堂より一筋の雪解水 有馬朗人
鶴帰るざざと時間を持ち上げて 「ざざと」見えない時間の塊
鶴帰る身に寸鉄も帯びずして 逞しく真っ新な気持ち 三席
引鶴の神となりゆく匂ひかな 右近推薦
大海はまぶたの丸み鶴帰る
遠山は私雨や鶴帰る 俄雨 村雨 武井推薦 一席
産声のしかと届きて鶴帰る
はいと言えずに引鶴を見送った
鶴引いてより文学を志す 「より」は「~から」ではないか(対馬) 二席
引鶴や貫く愛の距離通し
引鶴や一年分の古雑誌 武井荘
引鶴や大向うの声今や無し 尾上右近
まだ足りぬをどり踊てあの世まで 六代目 尾上菊五郎 右近の曽祖父
歌舞伎役者は声を鍛えているから良い声で
また俳句に対しても流れるような言葉で考えを述べて若いのに立派だなぁ
今の尾上菊五郎と祖父母が兄妹 顔立ちが似ていますねぇ。
「俳句文学館」「随想」に 故郷の方が寄稿しておられました。
70歳から俳句を始められ心身ともにご健康。
実家の仕入れ先の酒屋さんの長男さんだったことはあとで知りました。