今朝 伊吹嶺11月号が届きました。
伊吹嶺賞発表がありました。
伊吹嶺賞の関根切子さん『鎚の音』は
過去に見たこともないような高得点の
堂々たる第一位でした。おめでとうございます。
時間をかけて練り上げられた作品と感じ入りました。
賀茂競馬 (伊吹嶺賞次席)
あをあをと二葉葵や社家の道
若葉映ゆ聳えて朱き大鳥居
上賀茂を統ぶる大樹や桐の花
降臨の立砂真白端午来ぬ
楼門の朱塗眩しき五月晴
緑さす木々のあはひに仮の馬屋
新樹光葦毛の馬が目を細む
樹下涼し馬撫でられて出を待てり
列に就く少年腰に菖蒲挿し
尻振つて逸る栗毛や競べ馬
競べ馬眼の爛々と馬場巡る
一頭は三河産なり競べ馬
面懸の房なびかせて競べ馬
鞭打てば疾風となりぬ競べ馬
地響きに続く地響き競べ馬
怒濤なす馬青芝を蹴散らせり
はんなりと「お勝ち」の声や競べ馬
馬場薄暑落下の騎手が引き摺らる
日焼け濃き武者が馭したり暴れ馬
勝ち馬の騎手高々と鞭振れり
遠峰集 5句
露天湯の岩に坐りて夏惜しむ
児へ点す終の線香花火かな
草刈るや電波望遠鏡の下
三方へ分けし湧水秋気澄む
句碑の辺の苔息づける秋気かな