選者 小澤實 ゲストリモート 小野あらた
強さうな鳩がをりけり梅見茶屋 小野あらた 開成中俳句部出身
煎餅の粗目眩しき湯冷めかな 小野あらた 細部執着派と小澤先生
題「梅」
ばらばらに来てばらばらに梅見かな 小野推薦
春嶽も佐内も愛でし梅見せむ マニアック S音の二人 三席
西病棟十階からの梅見かな 大病院の一室から 一席
枝から枝へ栗鼠走りをる梅見かな 動きが魅力
クレープ分け若き夫婦や梅見茶屋
たすきがけ良く似合うなり梅見茶屋
鉄柵をすり抜けてゆく梅見かな 宮部推薦 二席
車椅子の距離延ばしたる梅見かな
みづうみに青空滲むる梅見かな 映るではなく滲むるが良い 戸田菜穂推薦
塩竃神社の紅梅
弁当の醤油の余る小春かな
曲る場所それぞれ違ふ白子干
テーブルに七味散りをりかき氷
水筒の暗き麦茶を流しけり
秋冷やチーズに皮膚のやうなもの
蜜柑のすぢ爪の間に乾きけり