機織や古き旅館の乱れ箱 平田俊子
見直し俳句の常識「助詞」
文月や六日も常の夜には似ず 芭蕉
既に前日から気持ちが高揚する
露草も露のちからの花ひらく 飯田龍太
「の」では表せない
店先の和菓子の色の春めきぬ
「の」が多すぎる × 平田
上五を再考 × 武井
店先の和菓子の色も春めきぬ 片山添削
長梅雨や櫛の通りもままならず
平田 ○
武井 ×
長梅雨や櫛の通りのままならず 片山
秋天へ声の揃ひて木遣歌
平田 ○
武井 ○
秋天へ声を揃へて木遣歌 片山
入選9句
長き夜や目覚むる度に雨の音
長き夜の眠れぬ夜となりにけり 三席
点滴のふくらみ落つる夜長かな
本を読み日記を綴りなほ夜長
百年の記憶をたどる夜長かな 平田推薦 二席
雨音の止みて風音夜長の灯
馬乳酒を柄杓でパオの夜長かな
病棟の灯は一斉に消え夜長 一席 表現句跨りの妙が良い
亡き母を語れば長き夜となりぬ 武井推薦 私
黒葡萄黒きを選りて掌に 武井壮
黒き(もの)を の省略も良い 片山
画数の多いところが良い 平田