描写の工夫 岸本尚毅
雲ってフワフワしてないな(柴田)
手に触れし雲は靄なり富士登山 先生の添削
先人の作品から
鮒ずしや彦根が城に雲かゝる 蕪村
特選句
電線に人の営み雲の峰
端居して雲に乗るならあの雲に
芝棟のあやめに雲の迅さかな
茅葺民家に飾る工夫
あの雲の下は夕立君の駅
雷雲の恵那山(えな)にかかるや裏は木曽
三日月の沈む弥彦の裏は海 高野素十 の句のパターンを使いこなした
立ち漕ぎのかばん跳ねたり雲の峰
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つぶやきに耳を傾ける はみだせ教室俳句の稲垣先生
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青嵐や雲吹きすさびきつね雨
きつね雨南風雲に吹きすさび 岸本推敲
特選
三席 夏雲や母の暮しを人づてに
他の季語もあるが遥か遠くにいる。夏雲の膨らむ感情が良い。
二席 入道雲扉のような窪みあり
一席 雲掴み日にかぶせたき炎暑かな
雲がつかめるのは人間技ではない 「かぶせたき」という生身の人間の願望