選者 片山由美子氏 ゲスト 歌人 東直子氏
綿虫の翅とはいへぬほどのもの 片山由美子
綿虫やつまさき立ちに見た未来 東直子
苺はや出しと妻いふうなづきぬ 森田峠
動詞三つの主体がそれぞれ違う 超絶技巧 片山先生
動詞と気持ちが連動して楽しく伝わる 東氏
明日着で林檎送ると知らせ来て ×
ビルは窓すべて灯して暦売る「暦売り」と名詞止が良い 東氏
暦売るという動詞の入る季語で この場合曖昧
暦売るすべて灯りてビルの窓 片山添削
くるぶしを落葉に埋め山の道 わざわざ入って行ったのか。
くるぶしの落葉に埋まる山の道 片山添削
入選句
綿虫の飛びて日暮れの近くなり
綿虫や工事場にとぶ外国語
この辺り立入禁止雪蛍 東推薦
綿虫や庭の手入れはきりもなく 武井推薦
綿虫や旅先に買ふ若狭箸 三席
綿虫の風の隙より生まれけり 二席
普通の生き物と違う不思議さ 東直子氏
石段にわが影折れて雪ばんば お寺などの急な石段ではないか
綿虫 雪蛍などあるが 雪ばんば の懐かしさがいい
指差してゐて見失ふ雪蛍 一席 見失う時の儚さ、喪失感が雪蛍ならでは
綿虫や家老屋敷の門構へ 対比が面白い
傍らに蝉の骸の凍てにけり 武井 動詞は良いが 句として「傍ら」が問題
樹下になほ蝉の骸の凍ててをり など 片山添削
プレバト 題「映画館」
銀幕の涙色ある冬の星 「ある」が惜しい 散文的(夏井先生)
「涙の色の」梅沢
映画館涙は冬の星みたい 夏井添削
銀幕の涙色ある冬の星 「ある」が惜しい 散文的(夏井先生)
「涙の色の」梅沢
映画館涙は冬の星みたい 夏井添削
冬霧や画面切り裂く「貞子」の手
冬霧の画面切り裂く「貞子」の手 季語の力としては落ちるが 夏井添削
映える画にマスクも透かす君の笑み
映画楽しマスクに透けて子の笑みは 夏井添削
冬の朝チュロスを食べに映画館 1位
チュロスは食べる物なので
冬の朝チュロス目当ての映画館 夏井添削
母の余命知る冬の日のレイトショー パンサー向井 2ランク昇格
この場合の「知る」は良い。レイトショーにリアリティがある。
ベンチや病室では意外性がない。
この人が父ちゃん銀幕に雪烈し 東国原
網走番外地を継父になる人と見た。「この人」がどうか。 東
高倉健が父ちゃんか。 梅沢
夏井先生 ボツ 梅沢と同じ解釈をした。
父となる人と雪夜の映画館 夏井添削
名画座のフィルムの傷の雪雑(まじ)り 梅沢
夏井先生 ボツ 雪のリアルをあと少し
名画座を詠んだところは良い。「雑り」が惜しい。
雪と言う名前の傷
名画座のフィルムに雑る雪の傷 夏井添削
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