岸本尚毅
川の中の顔は苔や石の肌
川に映る顔は苔や石の肌
水澄む
顔映る水よく澄んで石や苔 このくらいの変化は大丈夫
物浸けて即ち水尾や秋の川 高浜虚子
腹水の水攻めに会ふ二月かな 野見山朱鳥
特選
出水跡母はひとりの居を構え
肺に水抱える母の聞く花火
空高く静かに速き疎水かな
水脈太き水上バスや鯊日和
死者送る川に西瓜のにおいあり
目の前にキリッと四角水羊羹
添削
末期水に応えぬ老猫夏の果て
末期の水に応えぬ老猫夏の果て
末期の水に応えぬ猫や夏の果
第三席
各校のボートや堅田水の秋 水の秋は天地が広がる
第二席
水澄むや木の根しづかにくぐる魚
第一席
ごうごうと水の流れや蛭を剥ぐ
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