2025年9月14日日曜日

NHK俳句 水を描写する

 岸本尚毅

川の中の顔は苔や石の肌

川に映る顔は苔や石の肌

水澄む

顔映る水よく澄んで石や苔  このくらいの変化は大丈夫

物浸けて即ち水尾や秋の川  高浜虚子

腹水の水攻めに会ふ二月かな 野見山朱鳥

特選

出水跡母はひとりの居を構え

肺に水抱える母の聞く花火

空高く静かに速き疎水かな

水脈太き水上バスや鯊日和

死者送る川に西瓜のにおいあり

目の前にキリッと四角水羊羹

添削

末期水に応えぬ老猫夏の果て

末期の水に応えぬ老猫夏の果て

末期の水に応えぬ猫や夏の果

第三席

各校のボートや堅田水の秋  水の秋は天地が広がる

第二席 

水澄むや木の根しづかにくぐる魚

第一席

ごうごうと水の流れや蛭を剥ぐ



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