遠峰集より
キャンパスにちひさな古墳蝶生まる
立ち漕ぎを見せに来る子よ風光る
入学の子へ讃美歌のカバー縫ふ
囀の日がなこぼるる千木の空
はくれんの震へて空の青滲む
片山由美子選
葉桜や白さ違へて塩・砂糖 片山由美子
入選句
葉桜や百葉箱の朽ちかけて
葉桜や運転席にとおる仮眠 石原推薦
葉桜や新人研修最終日 三席
葉桜のささやきの下バスを待つ 武井推薦 二席
根尾谷の風舞ふ夕べ花は葉に
葉桜や石のベンチのしづかなる 一席
石のベンチにポイントを置いて存在感がある
葉桜や閂堅き大手門
葉桜となり借景に紛れけり
葉桜や単身赴任また一年
葉桜や上から乾く泥団子 を出しましたが没
夏向きの透かしの皿の蕨餅 武井 敢えて季重なり
涼し気な透かしの皿の葛桜 添削
山肌に黒南風刻む雲の波 石原