高碕vs名古屋B
新涼や役所に植うる記念の木 高崎
新涼や抜かれたる歯を渡されて 名古屋B 〇勝ち
小澤先生 名古屋Bとしたが新涼や抜かれたる歯を渡さるるとしたい。 「て」は弱くなる
新涼や木琴に桴しまふ音 名古屋B 〇勝ち
新涼や痣のうつすら広がつて 高崎
中原先生 「て」どめより「うっすら」が気になる。木琴とバチの出会いがよい。
中原先生はよどみなく流暢にお話しされ聞きやすい
口笛の今新涼に混じりけり 高崎 〇勝ち
折鶴の終はり息入れ涼新た 名古屋B
神野先生 「新涼」を一句一章の中に用いているところが良かった。
「折鶴」という素材がよく詠まれ、既視感をぬぐい切れない。
言葉をさらに尽くして相手に伝えて。
秋涼の魚拓に眼なかりけり 名古屋B 〇勝ち
新涼や小さく足を組み替へて 高崎
岸本先生 秋涼、眼、どれも効いている。
新涼や苔を伝ひし水の音 高崎
風呂椅子の真中に穴や涼新た 名古屋B 〇勝ち
堀田 苔の視覚と音の聴覚 即物的 風呂の穴で勝負で 苔の句は類想があるかな。
横濱翠嵐vs高崎
鶺鴒のととと飛び立つつもりらし 横浜翠嵐 〇勝ち
鶺鴒の降りし石より水蒸気 高崎
鶺鴒のかわいらしさが横浜翠嵐だなあ(私)
鶺鴒や鋤を地面に刺してゐて 高崎
鶺鴒の堂々歩くアーケード 横浜翠嵐 〇勝ち
村上先生 人に親しい鳥。アーケードにいそう。「刺して」に動の場面か静の場面か
鶺鴒の十歩のあとを我が一歩 横浜翠嵐 〇勝ち
手水舎の竹の湿りて鶺鴒来 高崎
堀田先生 横浜:鶺鴒は歩く句が多い。ただ映像的に確定しないのではないか。
高崎の、湿りの体感。
鶺鴒やキャップを分くる用務員 高崎 〇勝ち
鶺鴒やところどころにトタン屋根 横浜翠嵐
五局目略
岐阜の会社「句具」の協力がありまして看板が立っていました。
星野Avs洛南
屋根に立つ十字架細し蔦紅葉 星野A
交はれる蔦の隙間の燦燦と 洛南 〇勝ち
評 十字架細し の 細し は他の言い換えがないか
蔦かづら父の口笛置いてゆく 洛南
ブロック塀より蔦かづら攻めてくる 星野A 〇勝ち
評 蔦の生命力、ちょっと迷惑な感じが良いと思った
土佐犬のいびきの匂ふ蔦かづら 星野A
蔦這ふや連弾の手のやはらかく 洛南 〇勝ち
風走る浜辺に蔦のまばらなり 洛南 〇勝ち
回旋塔回る境内蔦かづら 星野A
星野先生 景色がぱっと入ってくる。私には初見で飛び込んできた。
困った時の「風」と「影」はダメだと教えているが、「走る」がよかった。
境内の句はもう少し絞って詠みこんでもよかった。
蔦紅葉ベンチにひらくことりっぷ 星野A 〇勝ち
蔦這へる柱に夢のくらさあり 洛南
高野先生 旅に行けない人が本を開いているイメージがあり9点をつけた。
夢の句は難しい。色々な解釈ができる、かつて生きていた木への思いがよい。
どの高校生の句も私より上手だなー