明日 忌明けの仏前に・・・
きくえ伯母さんへ
三姉妹
雛飾る一代おきに三姉妹
寄り添うて植田見詰むる老夫婦
古里の田の字の間取り団扇風
井戸の水汲んで冷やせり大西瓜
軽々と稲架棒担ぐ翁かな
腰曲げて媼落穂を拾ひけり
日に乾く音のかすかに稲架襖
餅搗の腰を入れてと励まさる
固く結ふ紺の風呂敷餅配
青空へ児の声ひびく蜜柑山
太陽の色あふれしめ蜜柑籠
蜜柑山四方より目白声こぼす
蜜柑狩倦みて幼の鬼ごつこ
雨あとの坂に転ぶ児蜜柑山
幼子と剪りし蜜柑を食べ合へり
木登りの児らの嬌声蜜柑山
車座となりて昼餉や冬すみれ
初雪の雨に変れり蜜柑山
蜜柑摘み終へて風鳴る夕間暮れ
農小屋の昼を灯して蜜柑選る
表彰状掲げし座敷菊香る
笑顔佳き卆寿と語り日向ぼこ
病む伯母の鎖骨のくぼみ春寒し
折鶴と百合を柩に訣れの日
三姉妹お花畑に憩ふらむ
伊吹嶺掲載句もあります。
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