2018年1月19日金曜日

伊吹嶺20周年記念号

遠峰集より

京都御所3句        ですが 賽銭箱も京都御所内でした 

廊橋をすずろに歩む菊日和   

水澄むや御苑の舟の綱真白

紫宸殿跡や桜の散紅葉

黄落や賽銭箱に猫坐る

紅葉の枝伐つて足場を組み直す

日の高きうちより酔うて里祭

★熱田まつり(応募作)  

黒南風や渡しに大き常夜燈

青蘆のそよぎ微かに舟着場

辻ごとに火の神祀る町薄暑

空砲のとどろき祭始まれり

杜深く神官進む朝涼し

白日傘閉ぢて鳥居に一礼す

岡持で神饌運ぶ青葉闇

荒魂の社裏より黒揚羽

本宮の裏の暗がり清水湧く

水無月の白砂眩しき雨あがり

西行の憩ひし橋や苔の花

羊歯茂る信長塀の瓦積み

棒の手の男汗して打ち合へる

獅子舞の子らへ扇げり大うちは

幼な巫女緑蔭に鈴振り続け

夏空へ尾張太鼓を打ちに打つ

人の波分けて夜店の灯の下に

西日中巻藁の灯を高く上げ

月涼し風に揺れゐる千の燭

花火見に路地行く肩を触れながら

 田島先生の的確な評に感謝します
 その他の選者の方にも

昨年は(今も)いろいろとあって 気持ちが前に進まず 難しい一年でした。
佳作の仲間に最後に入り 掲載していただき感謝します