2026年6月28日日曜日

全国俳句大会ダイジェスト 

テレビ対談 大会を終えて 星野高士 西村和子 夏井いつき

自由題

岸本尚毅特選

三十年の牛へ十五の扇風機

岸本 新しい季語 牛馬冷やすの例句に入れても良い

夏井 数詞で30に奥行、広さ、巾。二頭に等しく扇風機が置いてある

   読んで牛やフンの匂い 光景がありありと浮かんでくる

星野 計算され過ぎているのではないか 作った人には敬意を表する

小川 夏の生活の人間の季語 基本的には人間を冷ます

阪西 扇風機は扇風機なので あるがままにでよい

西村 「牛へ」が意味がある。牛馬冷やすの季語があったが、現在の「牛冷す」

今は都会では見られない

阪西敦子特選

芹ぬきし砂のひとすぢ流れけり (たくさん応募される方)

星野 つまんないと思う人はつまんない。 人が気付かないところに目をつけた写生句

見逃してちょっと後悔 

夏井 強く推す 瞬間の感動を「けり」で

私  流れゆく大根の葉の…を思い出すなあ

神野紗希特選

蝶生まる万の複眼万の日矢

夏井 季語が良い 蝶にとっては初めての世界 その瞬間の感動を掬い取っている 「万の複眼」の素材が俳句にはあるかなあと思って手が止まった

西村 知識で詠んでいるんじゃないか

司会者 知識で詠まれているか写生との違いは

星野 例えば 風が吹いて葉っぱが散っちゃだめよ 散らない方が良い

和田可凛特選

万緑の中に緑の勢力図

西村 万緑が語っているのに  緑 がダブっている 言葉のダブりは避けたい

星野 力づくな感 

夏井 勢力図 は良いがどう生かすかの工夫 イメージとして何か重なりがある 西村さんに同意

庄司君 緑の色が変ったらどうですか 何か別のものに  (夏井さんが褒める)

星野高士特選

ゆつくりと夜をまはしてゐる金魚

星野 金魚だけを描写 夜の金魚の孤独感 私も孤独だが孤独感の描写が際立っている 狭い水槽の金魚をよく生き生きと詠んだ

夏井 語順も良い ゆっくりと→(何だろう)→夜を回す(いったい何)→金魚(という答え) 星野さん良い句選んだね 西村さんも同意 星野さん 良い句を選べて良かったなあ

西村 これは良い句

当日句 970句集まった 木暮陶句郎 選 4句

特選 花時やむかし渋谷に富士見坂

龍太賞 15句1組

「晴を待つ」 

横揺れの各駅列車麦の秋

奥富士に夕暮のくる袋掛け

ふりむかぬ山羊の名を呼ぶ皐月空

母いまも小指をたてて枇杷をむく

橋をくぐりてほうたるの舞ひ上がる

親鳥の雛を呼ぶこゑ梅雨晴間

片足を岩にかけたる泉かな

吊忍まえぶれのなき山の雨    前は「まへ」じゃないかなあ(私)AIは「まえ」と

それぞれの向きに牛坐す残暑かな

白樺林秋蝶は針のごと

露けさの木椅子におろす小さき荷

新涼の一頭群れをはなれけり

唐辛子吊るして山の晴れを待つ

たつぷりの山風に暮れ花芒

落葉松にはじまる空や神無月

星野 お互いの句が凭れ合っていない テーマが揃っている中でバラエティがある

西村 季節の流れがあり

夏井 一句目の世界が脳の中に残っていることを踏まえている世界

星野 力の抜き加減も大事

裏富士に夕暮れの来る袋掛け

大会大賞

大口の真神の息や月氷る

ゆつくりと夜をまはしてゐる金魚

三十の牛へ十五の扇風機