東京俳壇〈俳句〉選者の句
馬鈴薯咲くかつて蹄の音のして(石田郷子)
前脚を伸べ甘えたる鹿の子かな(小澤實)
◆石田郷子 選
〈特選〉
ワンタッチ傘の開くや新学期
(評)ポンと傘の開く音。雨の新学期に臨む子どもやその親の姿が想像される音。「新学期」は季語ではないようだが季節感あり。
綿飴に道を譲れり花見人
(評)花見の人混み。屋台で買った大きな綿飴(を持った人)がやってくると皆さっと道を譲る。納得。
〈入選〉
花見茣蓙立錐の余地なかりけり
燕にも転居通知を出せぬかと
白象(びゃくぞう)の山車引く稚児や花祭
春や昔鶯餅を買ひし店
駄菓子屋と直結の居間春炬燵
行く春やいつも初心の高齢者
野遊びの子らに夕日の落ちにけり
アネモネや女友達みな猫派
◆小澤實 選
〈特選〉
手芸部に新人男子つばめ来る
(評)部員が女子ばかりの手芸部に、待望の新人男子が入部してきた。待っていた燕を見つけた喜びとつながるのだ。
行く春や額縁を得し小さな絵
(評)長い間気に入っていた小さな絵を、ようやく額装した。それを今年の去りゆく春の記念としようというわけだ。
〈入選〉
花の窓カフェモーニング運ぶロボ
朝霞犬が先導して散歩
桃の花子豚十匹生まれけり
花筏また流れだす澱みかな
痒い首搔けず両手に蕗の束
都電より見る飛花落花飛鳥山
ゆく春や蜜吸う鳥と目の合うて
卒園式寄つてたかつておめでたう
柿の花
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