2026年5月12日火曜日

俳壇の記事読む窓辺若葉光

 東京俳壇〈俳句〉選者の句

馬鈴薯咲くかつて蹄の音のして(石田郷子)

前脚を伸べ甘えたる鹿の子かな(小澤實)

◆石田郷子 選

〈特選〉

ワンタッチ傘の開くや新学期

(評)ポンと傘の開く音。雨の新学期に臨む子どもやその親の姿が想像される音。「新学期」は季語ではないようだが季節感あり。

綿飴に道を譲れり花見人

(評)花見の人混み。屋台で買った大きな綿飴(を持った人)がやってくると皆さっと道を譲る。納得。

〈入選〉

花見茣蓙立錐の余地なかりけり

燕にも転居通知を出せぬかと

白象(びゃくぞう)の山車引く稚児や花祭

春や昔鶯餅を買ひし店

駄菓子屋と直結の居間春炬燵

行く春やいつも初心の高齢者

野遊びの子らに夕日の落ちにけり

アネモネや女友達みな猫派

◆小澤實 選

〈特選〉

手芸部に新人男子つばめ来る

(評)部員が女子ばかりの手芸部に、待望の新人男子が入部してきた。待っていた燕を見つけた喜びとつながるのだ。

行く春や額縁を得し小さな絵

(評)長い間気に入っていた小さな絵を、ようやく額装した。それを今年の去りゆく春の記念としようというわけだ。

〈入選〉

花の窓カフェモーニング運ぶロボ

朝霞犬が先導して散歩

桃の花子豚十匹生まれけり

花筏また流れだす澱みかな

痒い首搔けず両手に蕗の束

都電より見る飛花落花飛鳥山

ゆく春や蜜吸う鳥と目の合うて

卒園式寄つてたかつておめでたう


柿の花