テレビ対談 大会を終えて 星野高士 西村和子 夏井いつき
自由題
★岸本尚毅特選
三十年の牛へ十五の扇風機
岸本 新しい季語 牛馬冷やすの例句に入れても良い
夏井 数詞で30に奥行、広さ、巾。二頭に等しく扇風機が置いてある
読んで牛やフンの匂い 光景がありありと浮かんでくる
星野 計算され過ぎているのではないか 作った人には敬意を表する
小川 夏の生活の人間の季語 基本的には人間を冷ます
阪西 扇風機は扇風機なので あるがままにでよい
西村 「牛へ」が意味がある。牛馬冷やすの季語があったが、現在の「牛冷す」
今は都会では見られない
★阪西敦子特選
芹ぬきし砂のひとすぢ流れけり (たくさん応募される方)
星野 つまんないと思う人はつまんない。 人が気付かないところに目をつけた写生句
見逃してちょっと後悔
夏井 強く推す 瞬間の感動を「けり」で
私 流れゆく大根の葉の…を思い出すなあ
★神野紗希特選
蝶生まる万の複眼万の日矢
夏井 季語が良い 蝶にとっては初めての世界 その瞬間の感動を掬い取っている 「万の複眼」の素材が俳句にはあるかなあと思って手が止まった
西村 知識で詠んでいるんじゃないか
司会者 知識で詠まれているか写生との違いは
星野 例えば 風が吹いて葉っぱが散っちゃだめよ 散らない方が良い
★和田華凛特選
万緑の中に緑の勢力図
西村 万緑が語っているのに 緑 がダブっている 言葉のダブりは避けたい
星野 力づくな感
夏井 勢力図 は良いがどう生かすかの工夫 イメージとして何か重なりがある 西村さんに同意
庄司君 緑の色が変ったらどうですか 何か別のものに (夏井さんが褒める)
★星野高士特選
ゆつくりと夜をまはしてゐる金魚
星野 金魚だけを描写 夜の金魚の孤独感 私も孤独だが孤独感の描写が際立っている 狭い水槽の金魚をよく生き生きと詠んだ
夏井 語順も良い ゆっくりと→(何だろう)→夜を回す(いったい何)→金魚(という答え) 星野さん良い句選んだね 西村さんも同意 星野さん 良い句を選べて良かったなあ
西村 これは良い句
★当日句 970句集まった 木暮陶句郎 選 4句
特選 花時やむかし渋谷に富士見坂
★龍太賞 15句1組
「晴を待つ」
横揺れの各駅列車麦の秋
奥富士に夕暮のくる袋掛け
ふりむかぬ山羊の名を呼ぶ皐月空
母いまも小指をたてて枇杷をむく
橋をくぐりてほうたるの舞ひ上がる
親鳥の雛を呼ぶこゑ梅雨晴間
片足を岩にかけたる泉かな
吊忍まえぶれのなき山の雨 前は「まへ」じゃないかなあ(私)AIは「まえ」と
それぞれの向きに牛坐す残暑かな
白樺林秋蝶は針のごと
露けさの木椅子におろす小さき荷
新涼の一頭群れをはなれけり
唐辛子吊るして山の晴れを待つ
たつぷりの山風に暮れ花芒
落葉松にはじまる空や神無月
星野 お互いの句が凭れ合っていない テーマが揃っている中でバラエティがある
西村 季節の流れがあり
夏井 一句目の世界が脳の中に残っていることを踏まえている世界
星野 力の抜き加減も大事
裏富士に夕暮れの来る袋掛け
★大会大賞
大口の真神の息や月氷る
ゆつくりと夜をまはしてゐる金魚
三十の牛へ十五の扇風機
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